ビートルズ編 1990

私は小学校5年生の時に、偶然ラジオで聞いたビートルズに感銘を受け、それ以来大のビートルズファンです。
ファンなら誰もがロンドンやリバプールに行きたいと思うことでしょう。
アビーロードスタジオ、ここの前の道を素足で目をつぶり歩きたかったんです。
(ファンなら判るとおもいますが、アルバム『アビーロード』のジャケット写真のポールマッカートニーが
横断歩道を目をつぶって、素足で歩いている写真を使っていて、ポールの死亡説が大きく騒がれました。)
友人がロンドンに移住したことをきっかけに、ビートルズ観光のため渡英。
友人を誘って2人で向かうはずでしたが、出発当日の朝ロンドンの友人から国際電話が掛かってきました。
今ママがロンドンに遊びに来ていて、観光でパリに行くから3日間どこかで過ごしてくれとの事、
う~ん、宿は何とかなるだろう。『OK。何とかする』 更に別の友人も一緒の便でロンドンへ向かっているはずなので
彼に連絡がつかないので、そのことを伝えて欲しいとの事、名前は『ケンちゃん』
会ったこともない『ケンちゃん』を探すために、僕と友人は成田と経由地で一人でいる若い(恐らく)男性に声をかけ続けることに
『ケンちゃんですか?』  『違います!!』 『ケンちゃんですか?』 『違います?』 ちゃんとフルネームを聞いておけば良かった、、、、
結局判らないままロンドンのヒースローまでの空路、友人との会話を聞いていた隣の席の紳士が
紳士『宿決めていないの?』
私『ハイ、なんとかなると思って』
紳士『到着は夜の9時くらいだよ』
私『最悪は野宿でも、、、、』
紳士『私の取っているホテルに聞いてあげるよ』
これで、今夜の宿は何とかなりそうだ。 ラッキー
この後この紳士とは、お互い車好き(当時彼はポルシェ、僕はアルファロメオ)ということもあり、とても仲良くなりました。
何でも原宿でアンティークショップを経営している方で、仕入れのために年に何回もロンドンを行き来しているらしい。
帰国後もお店に遊びに行ったり、一緒にツーリングに行ったり、何年も仲良くさせていただきましたが
数年後、ベルギーの女性と結婚してベルギーに移住してしまい、
向こうからベルギーグランプリの時はウチに泊まれば?とお誘いも受けましたが
郵便も届かなくなり、それっきりになってしまいました。
話がそれましたね。
ヒースロー空港で、やっと『ケンちゃん』を見つけて4人でタクシーを拾いホテルへ向かおうとしたその時『あっ僕のバックじゃない』
ケンちゃんは他人のバッグを持ってきてしまったようです。
取りに向かった彼を待って数十分、少し紳士がイライラしてきたように見えました。
すかさず僕は『もう3人で行きましょうよ。』始めて会った彼よりも、今夜からの宿の方が大事です。
しかし、さすが紳士、『せっかく会えたんだからもう少し待ってあげようよ。』大人の対応です。
小一時間、『ケンちゃん』が自分のバッグを見つけて帰ってきました。やっとホテルです。もう12時を回っています。
想像より良いロンドン中心部のホテルで快適な朝を迎えることが出来ました。
この後3日間、初めて会った『ケンちゃん』と3人でロンドン観光をする事に、、、、それはそれで結構楽しかったですが、
友人が『なんか頭が痛い』、『時差ぼけじゃない?』 次の日も朝は頭が痛かったようです。
原因が3日目の朝に判りました。彼の寝ていたベッドの横にガスの配管が通っていて、そこからガス漏れが起きていたようで
軽いガス中毒になっていた様です。 『死ななくて良かったね』 『しゃれにならないよ~』
3日後、ロンドン在住の友人と再会、その後10日ほど世話になってロンドン中を満喫しましたが、やはり珍道中になってしまいましたね。